2011年12月23日金曜日

12/22

目が覚めて彼がまずしたことは、スクランブルエッグを作ることだった。フライパンを火にかけ熱し、白い煙が出たころにサラダオイルを引き、また鍋が温まったところで、卵を割り入れる、2つ。割り入れる?彼は自分のしたことに驚いた。割り入れるだって?目の前では白身にうっすら火が入り、しっかりと完成へ進んでいるフライドエッグがある。彼は自分の失敗(ということでもないのだ。彼は日常的にスクランブルエッグを食べることを日課にしているわけではないのだから)を見過ごし、フライパンに水を少し入れ、蓋を閉めた。

電気ケトルのスイッチを押し、紅茶のバッグを取り出してタンブラーにかける。彼は机に座り、ノートブックでニュースを見た。「京都市の職員、不正な給与で」という記事の全文をクリックして、彼はタンブラーに口をつけた。そしてすぐそれを戻した。

彼は自分の強迫神経症的な一部の性格について少し考えた。確かに彼は、家のドアの鍵やガスコンロの火、白熱球のスイッチということに、部屋を出た直後どうしても考えてしまうということがある。その延長で、これについても、偶然の朝に起こったもしかすると何でもない珍事とも呼べないいくつかの出来事についてその連続の偶然について、自分は考え込んでしまうべきなのか。そう考えることははたして健康なのだろうか、いま自分は健康なことをすべきなのだろうか、不健康の効用というのはないのだろうか、何を選べばいいのか、ということについて、彼は考えながら、電気ケトルのスイッチが上がった音を聞いて、机を離れ、ケトルを取り、タンブラーに湯を注いだ。
「イーアン・トット、イーアン・トット、早く紅茶を飲もう」
彼は自分の名前を繰り返す、それは何かの癖なのだが、彼はティーバッグから漏れ出る色素の渦を眺めながら、今の自分の時間について、さてどうするかと考えた。
   

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