突然、すべての街路から溢れ出してくる異常なスピードに、ダニエル君は包まれる。
車や二輪車が極彩色の光線のように疾走し、人間は流れるように踊りながら彼の立つ街のメインストリートを過ぎてゆく。
ダニエル君はその中心でただただその状況を受け入れている。
「夢だね」
彼は今、夢の中にいる。
彼は今、この状況を夢として採用し、認めている。
「夢の世界だ」
日常の慣習的な風景に、異質な要素が一つでも加わりさえすれば、それを夢と認めるには十分だ。
彩度、速度、律動。
要素の単純な操作、その操作を感じる想像力。
人間が夢を見る、夢に向かうことなど簡単なのだとダニエル君は考える。
彼は目の前の景色に極端な彩度を与え、歩行者に木々に建築に彼らに自由なリズムを与えた。
世界は鮮やかに輝き、踊っている。
彼は夢になり、蝶になり、夢から覚めて、夢を生きた。
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