La Dame de Montrose 1997
サン・テステフのシャトー・モンローズ(格付け2級)のセカンドライン。
サン・テステフはボルドーのオー・メドック最北に位置する。
だからだろうか、ボクがボルドーにイメージするような芳醇さやリッチな感じとは少し趣の違う、芯の堅い、渋さと酸味が強調された味だ。もちろんカベルネの収斂性や濃縮したブドウの強さがメドックのワインであることを物語っている。
少しだけ冷えた状態で香りを嗅ぐとカシスの香りがやや粉っぽく出ている。
粘度は低く、前回飲んだポムロールとはあまりに対照的だ。
色調はなだらかだが、中心部は大きく濃い。
少しだけ見えるオレンジ色のニュアンスがこのワインの熟成感を表しているが、全体的には深く濃厚なガーネット。
味わいは、タンニンがしっかりとしており、少しざらつきがあるかなと思うが気になるレベルではない。
酸味が目立つ。
他の味わいを探して、何かに形容しようと思うが、一番適当なのはやはりブドウであり、ブドウの凝縮した果実味の力強さだろう。
ブルゴーニュのような土臭さ、少し冷涼な土地を想起してしまう。
おそらくカベルネ・ソーヴィニヨンが主にあるのではないだろうか。
ボルドーの、いや熟成したワインの特徴であるのか、アルコールのヴォリュームが適切で、ワインの風味を広げる以上の邪魔をしない。
抜栓から7時間が経った、時刻は夜10時。
穏やかになり過ぎた感じはいなめないが、酸味とタンニンが落ち着いて果実味と樽香が広がる。
開いてきた、という印象だ。
しかしアルコールが抜けているのは事実で、ワインとしては物足りない。
あと2年後くらいがこのワインの絶頂なのだろう。
ルモワスネ氏は「飲み頃を迎えてないワインは、飲むべきではない」と言った。
近くの頑固なワイン屋の店先にはその言葉が書かれ、その店主もまた熟成ワインが好きだ。
ボクは、若いワインも好きだし、リッチな熟成感を楽しみたいとも思う。
好みは色々だし、どれかのワインを嫌うというのはつまらない。
若いうちにワインに出会えてよかった。年をとるともう動かないから。
ワインに触れている瞬間に、現在の人生の最上の喜びを感じる。
それはワインが偉大なのか、ボクの現状が荒んでいるのか、どちらかかはわからない。
でもボクは、ボクのあらゆる欲望と情動と知性を取り込んでくれるこの相手に、多くの時間と労力をかけたいと思う。
もちろん、隣にあなたがいてくれれば、それ以上望むこともない。
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