(原題「通常人は、かくもカオティックな夢を見るか?」)
仕事が終わって家に帰る。
いきなり保健所の抜き打ちだなんて、くそ野郎だ。
PCをスリープから起こして、ほんの1秒でメールの確認をしてくださいという確認のアイコンが映る。
英文のタイトルと文章だ(以下和訳)
「私はいつもあなたの承認によって生きているのよ」
「つれなくしてごめんなさい、愛してる」
ところ変われば時間は夜中の2時。
職場でいつもどおり、カウンターでワインを開けてる。
つまみはハードサラミと生のベーコンにマスタード。
晩飯のスズキはグリルして、ペルノーでフランベ。
これで十分だ、ホールの若い奴と一緒だとついつい飲み過ぎる。
店のドアの前で音がする。
酔っぱらった若い連中が、ビールのジョッキ片手で騒いでいる。
ドアを叩く、わめく。
どうやらうちのホールと知り合いらしい。
ホールのやつはそいつらをドアのガラス越しに眺めながら、視線の先に哀れを飛ばし、ゆっくり酒を飲んでいる。
また部屋だ。
シャワーを浴びよう。
うわ、何だ、ハチミツ?冗談じゃない、今日は6日だぞ?お湯は出ないにしても、普通に水が出る日だろ。
髪の毛から上半身からつま先にかけてベタベタさせながら、冷蔵庫にクリップで留められた「配水表」を確認する。
『ハチミツの過剰生産のため、2/6〜9の間の配水はハチミツとなります。ご協力お願いします』
まぁ、いい、寝よう。
ベタベタなハチミツのせいか、それとも自分の睡魔のせいか、俺はベッドに溶け込んでいく。本当に文字通り溶け込んで、体の半分は沈み込んでいる。
右手のひじの周りがぱらぱらと、めちゃくちゃに小さい蠅や蛾が無数に舞うように、はらはらはらはら空中に分解していく。古ぼけて腐って、また古ぼけて塵になっていくミイラのイメージだ。
だんだん骨が見えて、自分の体はきれいな骸骨になっていく。
ケタケタ笑うその頭蓋骨の自分を想像し、その想像にケタケタ笑った。
実際的なすぐそこの現実未来と自己想像のイメージとのループの中に閉じ込められた俺は、ずっと笑い続けるのだろう。
見えるものなど何もない、視力を失い視界も失い、ただイメージだけを焼き付けて、その焼き付きは一生離れずに、
俺は笑い続けるのだろう。
そんな俺を考えると、おれはまた笑ってしまう。
笑って笑って笑い続ける俺を、俺は想像し、また笑うのだ。
どっかのlaughing manみたいに口が裂けるまで。
はは、お笑いだな。
目が覚める。
晴れてる。
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