2010年7月30日金曜日

――ダリ「眩暈」について

芸術は私たちを喚起する。

不安、喜び、恍惚

芸術は、それら自動化していく日常の中に忘れられた心性を隆起させて、私たちを感情の渦の中に。

目の前のタブローは私たちを、私たち自身の中に投げ込む。

彼は私を、私は私を、嗤う。

――

世界のどこかにある「崖の中の崖」とも呼べる鋭く美しい巨大な崖に、ただ球体が位置している。

なぜその球体は、私の気持ちを不安定にさせるのか。

私を形作るいくつかのパーツが次第にずらされていくようだ。

私はその球体に共鳴している。

球体の位置、状況。

私は球体を「読んで」しまう。

私の経験的な感情や記憶の追体験が、その球体を通して私に迫ってくる。

いつか私はそのような球体であったのだろうか。    

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