「なんだか急に、その、苦しくなるんです、そう、学校に行く道の途中とか、お風呂でシャワーを浴びている時間とか、あと寝るときもそうです。息ができなくなるんです。どんどん疲れて、どんどん元気がなくなっていってしまうみたいな、そんな感じです。それであと少しでもう力尽きてしまう、そのギリギリのところでやっと自分の命が助かったと思うんです。もう体が汗でびっしょりしていて、心臓も呼吸もぜいぜいしているんです。そのあとは、すごく気分が晴れていく感じがします。どこからともなく爽やかな気持ちのいい風が吹いてきて、ぼくの熱くなったおでこを涼しくしてくれるんです。」
「コールフィールド氏症だね。」
机の上のカルテにメモをとりながらその横顔でダニエル君の話を聞いていた内科医は、患者の話が終わると、自身の低いスツールを回転させて、メガネを外し、ダニエル君を正面に見た。
「コールフィールド氏症、そう名付けてあげよう。いいかい、君はこれからその病気と一生付き合っていくことになる。原因ははっきりとある。君の性格のある種の部分が、君の現実の問題を解決しようとするときに、君にそういう気分をとらせるんだ。でもこれは悪いことじゃない。むしろ、おかげで君は結果的には物事を肯定的に進めていけるだろう。いいね、君はそういう病気だ。これは治さなければいけないものじゃないし、治らないからってまったく恥ずかしがることはないんだ。誰かに悪口や、おかしい、とか言われたら、堂々と言ってやりなさい。そうだよ、そのとおり病気だ、でも君に何の関係があるんだ!ってね」
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