2009年10月8日木曜日

I love MY.-3

「そんな風にフラストレーションを感じてると、疲れてしまわないかな。大丈夫?」

「フラストレーションが溜まってるわけじゃないと思うんだけどな。ぼくは感動しすぎるんだ、いろんなことに。どうしても興味関心を持って、心動かされてしまう。コメントしてしまうんだよね、それが攻撃的だから、いつもボクは怒っているようになるんだ。」

ダニエル君はベン・ネイヴィスをダブルでいれたハイボールをぐいと飲んで、串揚げされたレンコンを熱そうに口先で噛みついた。

「きみはいいよ、法律家っていう仕事の中で自分の抽象的な意見っていうのをなかなか反映させられるんだから。これは嫌みでも批判でも、憧れでも嫉妬でもないよ、ただきみの状況はいいものだって、それを認めているんだ。じゃあ自分は、そう言われると困るんだね、ぼくも選択できないという選択肢を好きで選んでいて、その状況をそれなりに楽しんでいるんだもの。ある意味結果の責任を伴わないだけ、想像の自由度も高いはずだ。プレッシャーがないけれどね。だから結局何もないさ、ぼくの言う意見を誰がどう思うか、ぼくの意見の強度だけの問題さ、それがダメかどうかだよ、背景なんて関係ないね。うじうじと他の条件を言い立ててくる奴らなんて、それこそ生理中か何かだよ。逃げだ、逃げ。ボクが逃げているのか、やつらが逃げているのか、闘いだよ」

ボクは、3杯目の生ビールを一気飲みして、答えた。

「意見の強度だって!?それを吐けば吐くほど、きみの精神衰弱は加速するんじゃないか?2chの非生産だよ、一歩間違えれば。きみは浮き世と匿名を履き違えてる。きみは、生産的な刹那主義を訴えているけれど、見てみなよ、それは狡猾な建前でしかなくて、きみは、ネットと同じように、匿名を演じているんだ。きみはファッショナブルな服装やファッショナブルな振る舞いをすることで、そのシリアスな部分をごまかしている。それで、ごまかすのは他人のためで、他人はバカだからだなんて、身勝手だね。そう、若いやつらが酒を飲まなくなったってのはね、酒場の親父のご高説を、素面でできる場所ができたからだよ。酒場ではどうしても相手の顔が見えるから、どうしても恥ずかしくなるだろう。それがなしで、独りよがりで権威べったりのご高説が吐けるんだから、そりゃWebは便利だよ。きみが偉いのは、その一点だけだ。きみは、外部性に期待している。不確実性に不安になりながらも、期待しているところだけ、ボクはきみが好きだよ。でも、きみは今、それだけだ。」

ダニエル君は大笑いして、答えた。

「そうだよ、まさにそうだ。だから飲もう!外部性に期待、いや、あらゆる環境の変化を求めて!」    

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