曇り空の明るさは、街を、優しく柔らかくけだるく涼しげに見せる。
雨だから、歩いて外に出た。
音楽を聞きながら、外を歩く。
空中を漂う湿度にやられて、汗がじっとりと額を濡らし、第一ボタンまで閉めたシャツが体にしっとりと付き始める。
ここでシャツのボタンを外すのは、何か釈然としない気がしたから、ジャケットの前を開けた。
少し風が通るが、それでも不快な汗は消えてはくれない。
紅茶をいれるための茶こしを探すが、適当なものは見つからない。
漏斗も何かと便利なので探すけれど、これは全く見当たらない。
家のゴミ箱にちょうどいいバスケットが見つかった。
ドラッグストアで、ゴミ袋と芳香剤を買う。
少し雨が強く降って、少し止んだ。
雨に変わった湿度は、涼しい風に流されて、ボクの体もひやりと乾いている。
涼しい街の大通りで、流れる音楽は軽快だ。
音楽は、風景にそのイメージをべた塗りする。
音楽と風景の華麗なマリアージュは、なかなか望めるものじゃない。
音楽があると、街はすごく優しい。
世界が簡単に理解されるように、感じる。
イメージの喚起が、容易になる。
自分勝手な世界は、何てキレイな世界なんだ!!
一度、家に帰り、買い物で出来た荷物をおろして、自転車に乗って、街に出た。
「失った夢だけが、美しく見えるのは、何故かしら?」
繰り返される問いかけに、その問いかけの美しさと感傷さに心浸りながら、自問自答を繰り返す。
「夢を美しいと想ったとき、もうその夢は失われているのか。」
Mlesna Teaの店舗前を通ったので、わからないままにふらふらと入る。
まずいアールグレイなんてない。
まずい紅茶があるだけだ。
今日の紅茶はうまかった。
アールグレイは、ボク好みだった。

4日塩漬けたもも肉で、ポト・フーをつくる。
鶏とキノコ。
あとは野菜を放りこんだ。
煮込みは、シンプルなほどおいしい。
ボクは、まだ未熟だ。
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