2009年6月29日月曜日

ワタシ語り.3




丹波ワイン 丹波鳥野居 ピノ・ノワール 2006


ワタシの生まれ育った京都の北部、丹波地方にあるワイナリー。

このワイナリーの生産する庶民的なライン「フルーティ」は、中学生くらいのときからお世話になっている。

そのときの印象は、ごくごく平均的で個性のないワイン、どんな料理にも合うだろうおいしいテーブルワイン(ヴァン・ド・ターブルにしてはちょっと値が張るが)、といった印象だった。

そのときよりはもう少しワインについての知識と経験も増えているはずだろうから、丹波ワインの実力、和食に合うワインを目指すその理念というものを改めて味わおうと、今日は一日中財布と相談し続けて、最後に、バイト終わりに自転車を走らせて、閉店間際の酒屋に滑り込むことに成功した。

少しむしむしする京都の夏、気分はこのワイナリーのシャルドネを飲もうかと思っていたけれど、店頭には甲州種のものしか置いてなかった。
シュール・リーで作られているところがかなり興味深く、汗をかいたあとに飲むとさぞかし爽快で軽快な酸味を味わえるだろうなと想像しながらも、まだ甲州に手を出すことは時期尚早と、断念。
財布には一段厳しいが、かねてから注目していた、ピノ・ノワールを買うことに。

深夜1時、抜栓。

まず驚くのは、その外観、2006年のヴィンテージにしてはあまりに枯れたオレンジ色、すっかり色褪せてしまったサーモンルージュの色調である。
ワタシの狭いピノ経験では、初めてのことだ。

香りもはっきりと立ち現れず、ピノ種の華やかさやフルーティさよりも、樽熟成の香り、タバコや湿った樹皮、雨が上がった後の林の匂い(これは京都御所をイメージするとよくわかる)、スーボワは言い過ぎかもしれないが、それらの燻したような香りのニュアンスが強い。
紅茶葉の甘みも感じられる。
スモーキーでドライな印象。

口に含むと、なるほど、まるで日本酒のような辛口さ、切れ味だ。
ピノ・ノワールにしては果皮の渋みが印象的で、ただそのえぐみはなく、舌の奥にほろ苦さを残して喉を通っていく。
喉越しはとても滑らかだ。

ぶどうの果実自体のほのかな甘みや樽の香り、先述のタンニンに由来する繊細な渋みや苦みを、アルコールが包んでいるように感じるが、アルコール度数自体は11.8%とむしろ低い部類である。

おそらくこの日本酒のような辛口のドライさは、酸味と渋みのバランスちょうどよく、それを樽香がまろやかにしているために、日本酒のような味わいだとこちらに感じさせるためだろう。


たしかにこれは、和食にあうだろう。マグロの赤身〜中トロなどの刺身にも合いそうだ。

京都丹波のどのような気候が、そしてどのような製造の特徴がこのピノ・ノワールを作ったのかがただただ気になるが、京都でこれほどおもしろい試みが続けられていることが何より楽しく、うれしい。

機会を見つけて、ワイナリーの見学にでもいこうかしら、と考えている。    

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