2009年6月25日木曜日

ワタシ語り.2



ロバート・モンダヴィ プライベートセレクション ピノ・ノワール


このラインのシャルドネを以前飲んだことがある。
そのときの感動は、ワタシのワインへの興味を飛躍的に向上させたが、このピノは、その感動ほどの印象をワタシに与えなかった。


紫がかった明るいルージュ、清澄度が高く色が澄んでおり、ラルム(グラスの側面から落ちる涙の跡のような)も残らない。
単一品種だからか、ディスクにグラデーションはない。
カリフォルニアでピノを育てたということは、ある程度冷涼な気候なのだろうけれど、それがどういう影響を与えているのかはいっそうの検討が必要。

抜栓して嗅いだコルクの香りは、イチゴのジャムのよう。
ワイン自体の香りも、ほのかにイチゴやカシスのニュアンス。あまり香りは強くない。
少し燻した香りがする、樽の影響か。それほどヴァニラの香りというわけでもない。

口に含むとまず、そのヴォリューム感に打たれる。
さきのイチゴやベリーの香りが高い度数のアルコールの熱で口全体に広がり、さきではあまり感じられなかったベリーの甘さや、バラ、ヴァニラの香りも出てくる。
ピノ・ノワールらしい、繊細で滑らか、華やかな甘さとごくごく軽い酸味とタンニン。
後味はそれほど残らないが、それもエレガントで、安っぽくはない。
アルコール度の高さからか、喉から香りがすっとひいていく。


実に華やかでおいしいワイン。

言葉を重ねれば重ねるほど、その素晴らしさを認識させられる。

ただ、あまりに美味しいだけであり、ひねくれたクセがない。

概してアメリカのワインはそうなのかもしれず、またモンダヴィの哲学によるものかもしれないが、ただ、シャルドネの感動は、おそらくその醸造、フレンチ・オークとタンク、そしてマロラクティック発酵を組み合わせたその醸造が生み出した味わいの重層的な豊かさにあったのだろう、それをこのピノに求めると、いささか物足りないと感じてしまうのだ。

テロワールの趣味。

もちろんワタシの勉強不足がそれを感じさせないだけかもしれないが、ほとんどがそれ単一で作られ、栽培条件を厳しく選ぶ、そんなピノ・ノワール種を飲む楽しみの一つには、テロワールや醸造の趣向を感じ取ることにあるのかもしれない。


p.s.「天使と悪魔」を見た。歴史に熱情を感じ、またそのドラマに酔えるひとは、おもしろい。ワタシは、おもしろかった。名作や傑作、というラインナップに置かれるかはわからないが、あと少し講釈が多く、論理のほとんどが天才的なセンスだけれど、映画としての撮り方がよかったのかもしれない。原作を読んでないから何ともいえないが、前作よりも映画としては優秀だった気がする。「ワルキューレ」のような叙述。流行なのかしら。    

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