「明日は今日と違うだろうか、昨日と今日が違うかったように。」
冬の気怠い日差しの中、この後の時間をふらふらと過ごすであろう場所に自分を運ぶバスを待つ間、ノブユキはそんなジョークを呟いた。
「ジョーク、ジョーク」
列は長くなかったが、それと並行に延びている広い車道の向こう、彼の背中の向こうから、ゆっくりとバスが来た。
彼は顔だけを振り向けた。バスが、向かって来た。
今みたいな間、つまりある日のある時間の5分ほどの場面を、何かとてもメランコリックで、それでいて洒脱で、虚空に放つ大声なメッセージ、空虚感/満足感、そんなもので切り取ってしまうことが彼にはままあった。
窓の外を、世界が流れていく。後ろへ。ちょっと高いところからそれを見ている。じっと、ぼんやりと。
そして上の4つの読点のパッケージを、もうちょっと高いところにあるカメラから彼は見ている。
「斜め上から見た、斜め下を眺める自分」
彼はいちいちそういうことに目くじらを立てなくなった。
おそらく飽きたのだろう。
「明日は今日と違うだろうか、昨日と今日が違うかったように。」
気に入っていた。
可笑しかった。
だって、主語が変だ。
「僕の今日って、何だ?」
声を出して、笑ってしまった。ケホケホ、ムセタ。
そして彼がそれを自分の前に据え付けられたカメラで見ていたのは、もちろん言うまでもない。
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