2007年6月3日日曜日

映画を見ました。

「マッチ・ポイント」ですね。


ウッディ・アレンという人が監督です。

僕は彼が大好きなんですが、

確かに今作は、いささか「ドラマ」がなかったかな、と思います。

アレンの作品にしては、物語の「イベント」(=ここでは二度目の再会とその破綻)までの道のりも長く、

すこし、ゆっくりでスムーズすぎる感じです。

いきなりポンと、事件を持って来て、その波紋とか、その中でのキャラクター達を楽しむという、

古畑任三郎メッソド(「スコルピオンの恋まじない」という作品はこの分野ですね)ではありません。


ただ、

「人間」というものを描かせたら、

この人は実に、よく理解しているし、真摯に取り組む、天才だと思います。

とても滑らかに物語は進み、滑らかに終わるのですが、

その中での人物達の、セリフ、動き、心理描写に、

全くウソがない。とても現実的です。

橋田壽賀子先生に見てもらいたい。

(もちろん、アレ(わたおに)の価値は認めます。)

人間ですから、そんなに類型的に、いい人、悪い人という分け方はできませんし、

会話にしても、いろんな布石と気配りと王手、によって会話はなされるものでしょう。

そう、会話のシーンの「会話」はとっても、

本当に秀逸で、脚本家としての彼のセンスには脱帽です。



「映画に文学性なんていらない!!」

かもしれませんし、

確かに、映画として、どうこうという作品ではないと思います。

ただ、これは古典文学として、

1970年代からの、何とも形容しがたい、

「日常を生きる文学」という名のもとにおいて、

とてもすばらしい傑作です。


確かに派手じゃないし、インパクトもないが、

とても愛されて作られた、

とっても繊細で美しい、

非常にディティールの優れた、

いい文学作品だと、

思いました。    

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