お元気ですか?
僕は元気です。
つまらないことを言いました。ごめんなさい。
今僕は、東京に戻るバスの中です。みんな疲れているみたいで、僕もだんだん、うつらうつらしてきました。
昨夜は本当にどうもありがとう。(これをあなたが読むころにはもう少し時間が経っていますね)
でも、いささかお酒を飲み過ぎました。
楽しい夜でした。
少し肌寒い夜でしたね。
あなたは、「春はもう少し暖かいのに」とつぶやきました。
それでも桜は、本当に綺麗で、
夜の青さはそのピンクとともに、それは幻想的な情景を開いていました。
あの森(本当は公園といった方が近い場所なのかもしれません。でもあれは、森でしょう?)の街頭の光がまぶしすぎたのを、僕は今でも目の前に感じます。
自転車に乗ってそこに着いたあと、僕たちは散歩をしました。
砂利がいっぱいに敷き詰まったその道は、
何だか果てがなくて、
少しお酒の入った二人は、すっかり立ち止まって、惚けてしまいましたね。
そのとき僕は、あなたにキスをしたのでした。
それは、とても、私の中ではロマンチックであって、
自分が何かおとぎ話の世界にいるかのように、ほのかなストーリーの一編であるかのように、
自分をはなれた不思議な視点で、それを見ていました。
幾年も経た恋心は、まったく、私にはわからないものになるのですね。
僕は、自分の人生の中で、あの時ほどの「時間の美しい帰着」を体験したことはありません。
丁寧に重ねられた時間が、本当に一瞬の最後、それは桜のようにはかなかったのですが、実に綺麗にその花弁を開かせて、散ったのです。
その後の数時間は、とても甘美で、僕はもう眠ってしまいそうだった。
そんな言葉を、あのときから僕は心の中にしまい込んで、慎重に丁寧に繰り返してきました。
不誠実な文章です。
本当は、書き尽くせていないものを、集中力の途切れたものを、披露するべきではないのかもしれない。
そんな僕の不真面目を、あなたは笑ってくれますか?
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